バンダイナムコエンターテインメント(以下バンナム)は「鉄拳」「テイルズ」「アイドルマスター」など数多くの人気タイトルを手がける大手ゲーム会社です。

ゲーム好きにはおなじみの企業だ。
本記事では、就職難易度や採用大学、求められるスキルや選考フローを整理し、バンナムへの就職を目指す方のために詳しく解説します。
バンダイナムコエンターテインメントとは
バンナムは、バンダイナムコホールディングスの中核を担い、デジタルエンターテインメント分野を主力としています。
項目 | 詳細 |
---|---|
会社名 | 株式会社バンダイナムコエンターテインメント(Bandai Namco Entertainment Inc.) |
本社所在地 | 東京都港区芝5-37-8 バンダイナムコ未来研究所 |
設立年 | 1955年6月1日(旧株式会社ナムコ創業) |
従業員数 | 非公開 ※バンダイナムコグループ連結では10,919名(2024年3月末時点) |
親会社 | 株式会社バンダイナムコホールディングス |
事業内容 | 家庭用ゲーム、ネットワークコンテンツ、アソビエンターテインメント、ライセンスビジネスなど |
主な代表作・サービス | パックマン、鉄拳、アイドルマスターシリーズ、太鼓の達人、テイルズ オブ シリーズ、ELDEN RING(海外販売)など |
売上高 | 3,295億円(2024年3月期) ※バンダイナムコグループ連結売上高は1兆480億円(2024年3月期) |
平均年齢/平均勤続年数 | 非公開 |
上場区分 | 親会社である株式会社バンダイナムコホールディングスが東証プライムに上場 |
本社以外の主要拠点 | 東京(芝、品川)、大阪、福岡など 海外拠点:バンダイナムコエンターテインメントアメリカ、ヨーロッパなど |
主要子会社・関連会社 | 株式会社バンダイナムコスタジオ、株式会社バンダイナムコフィルムワークスなど |
公式HP | https://www.bandainamcoent.co.jp/ |
家庭用ゲームでは「鉄拳」「ソウルキャリバー」「テイルズ」シリーズといった有名タイトルを数多く展開してきました。
モバイルゲームでは「アイドルマスター」や「ドラゴンボール」など、人気アニメや漫画を活かした作品で大きな収益を確立しています。
さらに、ゲームにとどまらずキャラクターやIPを使ったイベント、グッズ販売、ライブ企画など幅広いビジネスモデルを展開している点も特徴です。
こうした事業の多角化により、ゲーム制作だけでなくマーケティングやIP企画などさまざまな分野で人材が求められています。
バンナムの新卒採用の特徴
バンナムの新卒採用は、ゲーム会社の中でも職種の幅が広く、開発・企画・デザイン・ビジネスと多様な領域に分かれています。
項目 | 詳細 |
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採用職種 | 総合職(プロデュース、プロモーション、マーケティング、セールス、ライセンス、事業管理など)、技術職(プログラマー、サーバーエンジニアなど)、デザイナー職(UI/UX、キャラクターモデラーなど)など、多岐にわたります。 |
求める人物像 | 「夢や情熱を持っていいものを世界中に届けたい人」「失敗を恐れずに挑戦できる人」「自ら率先して周囲を巻き込み行動できる人」などが挙げられています。 |
選考フロー | エントリーシート提出、Webテスト、面接(複数回)が基本的な流れです。職種によってはポートフォリオや課題提出が求められる場合があります。 |
初任給 | 大卒:270,000円 院卒(修士):280,000円 院卒(博士):300,000円 ※2026年4月予定の金額です。能力によって決定されます。 |
福利厚生・制度 | 完全週休2日制(年間休日125日)、フレックスタイム制(コアタイムあり)、在宅勤務制度、育児・介護休業、社員持株会、財形貯蓄、出産子育て支援金(第3子以降は300万円)などがあります。 |
研修制度 | 新入社員研修、OJT、階層別研修など、グループ全体での研修も行われています。 |
公式採用サイト | https://www.bandainamcoent.co.jp/job/grad/ |
自分が目指すキャリアに合わせて応募できる点は魅力ですが、同時に倍率が非常に高く、求められる適性やスキルのレベルも高水準です。
また、選考フローはインターンから本選考につながるルートや、エントリーシート、適性検査、複数回の面接を経て内定に至るプロセスが一般的です。
年度によって採用人数や傾向は変動しますが、常に高い人気を誇るため入念な準備が不可欠です。
採用フロー
バンナムの選考フローは、まずインターンシップから始まるケースが多く見られます。

もちろんインターンに行かなくてもいいが、言った方がいろいろと有利だ。
外部リンク:バンダイナムコエンターテインメント【イベント・インターンシップ】
インターン参加者は企業理解を深められるだけでなく、実際に早期選考へ進むチャンスが得られる場合もあり、非常に有利です。
本選考ではエントリーシート提出が必須で、志望動機やゲームに関する体験を深く問われる傾向があります。
その後は適性検査や作品提出(開発・デザイン志望の場合)を経て、複数回の面接へ進みます。
面接では「ゲーム愛」と「論理的思考力」の両方が評価され、単なるファンではなく、ユーザー視点や企画力を持っているかが重要です。
年度や職種によって細部は異なりますが、インターンとESの段階からしっかり準備しておくことが合否を左右します。
採用人数や傾向
バンナムの採用人数は年度によって変動があり、公式に詳細は公表されていませんが、例年数十名規模にとどまります。
バンナムは国内だけでなく海外市場にも積極的に展開しているため、グローバル志向の人材や英語力のある応募者が評価されやすい傾向にあります。
人気の高さゆえにエントリー数は数千単位にのぼるとされ、倍率は数十倍から100倍以上になることも珍しくありません。
ちなみに、2024年度のバンダイナムコエンターテインメントの受付は3712倍、倍率は124倍です。
そのため、学歴や作品の質、面接での熱意や発想力など、あらゆる面で差別化が求められます。
年度ごとの採用方針変更もあるため、最新情報を常に確認しながら対策を進めることが重要です。
バンナムの就職難易度と就職偏差値
バンナムの採用枠は非常に限られており、応募者数は数千人単位に達するのに対し、実際に採用される人数は数十名規模にとどまります。
この状況から、倍率は数十倍から100倍を超えることも珍しくありません。
バンダイナムコエンターテインメントの就職偏差値は60台後半、就職難易度はSランクです。
項目 | 内容 |
---|---|
就職偏差値(目安) | 65〜69 |
難易度ランク | Sランク(難関) |
内定獲得の難しさ | 応募数は数千人規模、採用枠は毎年数十名程度に限られ、倍率は数十倍〜100倍超になることもある |
難易度を高める要因 | 世界的なIPブランド力、採用人数の少なさ、高度なスキル・実績の要求 |
就職偏差値は、大学入試における偏差値を模した概念であり、公式な数値ではありません。
倍率、人気度、必要なスキル水準といった複数の要素を総合的に判断し、相対的な難易度を指し示す“目安”として用いられています。
バンナムの就職偏差値はおおむね65〜69に相当し、難易度ランクでいえばSクラスと位置づけられます。
つまり「誰もが知る一流企業」ではあるものの、内定を得られる人材はごく一部に限られるということです。
企業名 | 就職偏差値(目安) | 難易度ランク | 特徴・難易度イメージ |
---|---|---|---|
任天堂 | 70以上 | SS | 超難関。世界的ブランド力を持つ別格の企業。採用枠が極めて少なく、倍率100倍超も想定される。 |
スクウェア・エニックス | 65〜69 | S | 難関。「FF」「DQ」といったRPGの熱狂的なファンが多く、人気が高い企業。クリエイター職は特に高いスキルが求められる。 |
バンダイナムコエンターテインメント | 65〜69 | S | 難関。世界的IPを多数保有。応募者数が数千人規模にのぼり、Sランクの中でもトップクラスの競争率。 |
セガ | 60〜64 | A | 高倍率。「ソニック」「龍が如く」など独自IPに強み。幅広い事業展開を行うが、採用枠は限定的で、カプコンと同様に高い倍率となる。 |
カプコン | 60〜64 | A | 高倍率。「モンハン」「バイオ」といった世界的ヒット作を多数生み出している。セガと同様、高い倍率となる。 |
コナミグループ | 55〜59 | B | やや難関。「ウイイレ」「遊戯王」などIP多数。大手の中では比較的チャンスがあり、幅広い層に門戸が開かれている。 |
コーエーテクモHD | 55〜59 | B | やや難関。「信長の野望」「無双シリーズ」など人気シリーズを保有。コナミと同様、幅広い層にチャンスがある。 |
就活市場全体を見ても、Sランクに入る企業は限られており、任天堂がSSランクで頭一つ抜けているのに続き、バンナムとスクエニが並んでSランクに位置しているといえます。
これは応募数が多いだけでなく、求められる能力が非常に高いことも関係しており、単なる憧れだけでは突破できない厳しさを示しています。
就職難易度はなぜ高い?

バンナムの就職が難しい理由は大きく2つあります。
第一に、IPのブランド力です。
「鉄拳」や「ソウルキャリバー」のような格闘ゲームから、「テイルズ」のようなRPG、さらに「ドラゴンボール」「アイドルマスター」のようにアニメ・音楽と連動したタイトルまで、国内外に熱心なファンを持つコンテンツを多数抱えています。
こうした企業に携わりたいという就活生が多いため、志望者は自然と増加します。
第二に、採用枠の少なさです。
採用人数は年度によって変動しますが、多くても数十名程度で、応募数に対して極めて少ないです。
これらの要素が合わさることで、バンナムは「Sランクの難関企業」として位置づけられています。
バンナムの採用大学
バンナムの採用は「学歴がどこまで影響するのか」という点に関心を持つ就活生も多いでしょう。
ゲーム業界は実力重視といわれる一方で、実際にどの大学からの採用実績があるのかを確認しておくことは重要です。
区分 | 採用実績大学(例) | 偏差値目安* |
---|---|---|
旧帝大 | 東京大学、京都大学、大阪大学、名古屋大学、九州大学、東北大学、北海道大学 | 65〜72 |
難関国公立 | 筑波大学、千葉大学、横浜国立大学、神戸大学、広島大学、名古屋工業大学、電気通信大学、東京農工大学、東京外国語大学 | 60〜68 |
地方国公立 | 金沢大学、新潟大学、熊本大学、鹿児島大学 | 55〜63 |
難関私大 | 早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、東京理科大学、国際基督教大学(ICU) | 63〜71 |
MARCH | 明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学 | 60〜65 |
関関同立 | 関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学 | 60〜66 |
中堅私大 | 学習院大学、成蹊大学、成城大学、南山大学、甲南大学、東洋大学、日本大学、専修大学、駒澤大学、近畿大学、龍谷大学、昭和女子大学、東京工科大学 | 55〜60 |
※偏差値は大学受験時の一般目安(河合塾・駿台など)。学部・年度により変動します。
※大学キャリアセンター公開の就職実績や、就活サイト、就職四季報に掲載された採用校リストです。
バンナムの採用大学には、東京大学や京都大学をはじめとする旧帝大グループ、早稲田・慶應といった難関私大が含まれています。
加えて、MARCH(明治・青山学院・立教・中央・法政)や関関同立(関西・関西学院・同志社・立命館)といった準難関校からも一定数の採用実績があります。
特に理工系・情報系学部からの採用が目立つため、研究室やゼミで得た専門知識をアピールできるかが鍵になります。
バンナムは全国規模で認知度の高い企業であるため、採用大学も首都圏・関西圏を中心に多岐にわたっています。
美術系大学・専門学校からの採用例
デザイン職に関しては、美術大学や専門学校からの採用例も数多くあります。
多摩美術大学、武蔵野美術大学といった国内有数の美術大学をはじめ、東京工芸大学や大阪芸術大学などアート系に強い大学からも内定者が出ています。
また、ゲーム・CGに特化した専門学校からの採用実績もあり、特に3DCGやUI/UXデザインのポートフォリオを武器に内定を勝ち取るケースが見られます。
これは「学歴よりも作品の完成度や実力を重視する」というゲーム業界の特徴をよく表しており、美大や専門学校からでも十分にチャンスがあるといえるでしょう。
2024年採用実績校
正式名称 | 区分 | 偏差値目安* |
---|---|---|
早稲田大学 | 私立 | 67〜70 |
法政大学 | 私立 | 58〜63 |
横浜国立大学 | 国立 | 62〜66 |
慶應義塾大学 | 私立 | 68〜71 |
同志社大学 | 私立 | 62〜66 |
国際基督教大学(International Christian University) | 私立 | 65前後 |
女子美術大学 | 私立 | 50前後(美術系のため学科差あり) |
青山学院大学 | 私立 | 62〜65 |
大阪大学 | 国立 | 67〜70 |
東京外国語大学 | 国立 | 63〜67 |
東京工科大学 | 私立 | 47〜55(学部により差) |
神戸大学 | 国立 | 65〜68 |
関西大学 | 私立 | 58〜63 |
日本大学 | 私立 | 50〜57 |
北海道大学 | 国立 | 65〜68 |
昭和女子大学 | 私立 | 47〜55 |
バンナムの2024年採用実績校を確認すると、旧帝大から私立大学、美術系大学まで幅広い層から内定者が出ていることが分かります。
さらに、国際基督教大学(ICU)、東京外国語大学のように特色ある教育を行う大学や、昭和女子大学・女子美術大学・東京工科大学といった専門性の強い大学からも実績が出ています。

必ずしも学歴偏重ではなく、多様な人材が採用されているということだ。
こうした結果から、バンナムの採用は「難関大学を中心にしつつも、多様な背景の学生に門戸を開いている」姿勢がうかがえます。
採用大学の傾向
バンナムの採用大学を分析すると、旧帝大や早慶などの難関大学に加え、MARCHや関関同立、さらには日大や昭和女子大といった幅広い層から採用実績が確認できます。
特筆すべきは、最新の就活四季報に記載された採用実績校を見ると、文系の学部・大学からの採用が目立つ点です。
例えば早稲田大学、慶應義塾大学、同志社大学、青山学院大学、法政大学などは、いずれも文系学部の比率が高い総合大学であり、経済・経営・社会学系の出身者が多く就職していると推測されます。

もちろん、開発やデザイン職では理工系や美術系出身者の採用が不可欠ですが、ビジネス職や企画職では文系学生が積極的に採用されていることが分かります。
特に企画職は「ゲーム愛と論理性を兼ね備えた人材」が重視されるため、文系の研究で培った調査力や論理的思考力が評価につながりやすい傾向にあります。
そのため、学部や専攻にかかわらず「作品や実績で専門性を証明できるか」「企画力や語学力など、自分の強みを企業の事業展開とどう結びつけられるか」が合否の分かれ目となります。
バンナムに就職するには?
(バンナム)に就職するためには、一般的な就職活動の対策だけでは不十分です。
バンナムの選考で重視されるポイントを踏まえ、実際に内定を目指すうえで有効な戦略を解説します。

インターン参加の重要性
バンナムの就職を目指すなら、インターンシップへの参加は極めて重要です。
例年、夏季や冬季に職種別のインターンが開催されます。
企画職では「新規ゲーム企画の立案」、開発職では「UnityやUnreal Engineを使った開発課題」、デザイン職では「UIやキャラクターデザイン制作」、ビジネス職では「マーケティング分析や商品企画」といった内容が課されます。
インターン参加者には現役社員から直接フィードバックを受けられる機会があり、選考を通じてバンナムが求める人物像を把握できることは大きなメリットです。
特に企画や開発系では「インターン経由でしか分からない選考傾向」もあるため、参加は事実上必須といえます。
エントリーシート・志望動機の工夫
エントリーシート(ES)では、志望動機において「バンナムだからこそ挑戦したいこと」を明確に示すことが求められます。
単に「ゲームが好き」という熱意だけでは不十分で、バンナムが強みとする「IP横断展開」「グローバル戦略」「ライブエンターテインメント」といった要素に結びつけて語る必要があります。
たとえば「ドラゴンボールのIPを新規市場でどう展開できるか」「アイドルマスターをメタバースや海外展開に活用するにはどうすべきか」といった、自分なりの分析と提案を加えることが効果的です。
過去の内定者の体験談では、「既存IPを使った新規展開案」を論理的に書いたESが通過率を高めている事例が多く、ESでの差別化は合否に直結します。
また、設問の中には「あなたが影響を受けたエンタメ作品」や「チームで困難を乗り越えた経験」などが含まれるため、ゲーム愛と社会人としての適性をバランスよく盛り込むことが重要です。
面接で評価されるポイント(ゲーム愛+論理的思考)
面接では、志望者の「ゲーム愛」と「論理的思考力」の両立が最も重視されます。
面接官は「どのゲームに影響を受けたか」をよく質問しますが、単なる感想ではなく「なぜそのゲームが面白かったのか」「どの要素がユーザーを引きつけたのか」を構造的に説明できるかどうかを見ています。
例えば「鉄拳シリーズが優れているのはキャラクター差別化とゲームバランスにある」と分析した上で、「自分ならこう改善する」という提案ができれば、単なるファン目線を超えた専門的な理解として高評価につながります。
また、バンナムはIP横展開に強みを持つ企業であるため、面接で「アニメや音楽イベント、グッズ展開への関心」を論理的に結びつけて話せると好印象です。
さらに、集団面接やグループディスカッションでは「自分の意見を整理して発信する力」と「他者の意見を汲み取って調整する姿勢」が求められます。
こうした場面でリーダーシップを発揮できると、採用担当者の評価が一段と高まります。
他の学生との差別化方法
最後に、他の学生との差別化です。
バンナムは国内外から応募が殺到するため、差別化ができなければ埋もれてしまいます。
企画職なら「市場調査に基づいた新規企画提案」を行い、単なる思いつきではなく論理的裏付けを示すことが効果的です。
開発職なら「AIやオンライン技術を活用した最新の実装経験」をアピールし、デザイン職なら「オリジナリティのある作風」や「業界で使われる標準ツールの習熟度」を強みとして提示できます。
さらに、バンナムは海外展開に注力しているため、英語・中国語などの語学力を活かせる点を打ち出すと差別化になります。
また、学内活動に限らず「同人ゲーム制作」「コンテスト受賞」「学外プロジェクト参画」などを具体的に示すことも有効です。
こうした実績は「主体的に行動できる人材」という評価を得やすく、他の学生との差を生む重要な要素となります。
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